江藤拓農相は13日の衆院農林水産委員会で、豚コレラ(CSF)対策で、飼養豚に予防的ワクチンを接種しても抗体ができない可能性があることを踏まえ、「飼養衛生管理基準を守ることが基本」との考えを改めて強調した。野党は、ごみや輸送トラックを通じた感染を懸念し、万全の対応を求めた。
自民党の高鳥修一氏は、ワクチン接種を巡る課題として抗体ができない豚が出る割合を質問。江藤農相は「個体差が出るが基本的には1割ぐらい」と回答した。その上で、感染防止対策は、飼養衛生管理基準を守ることが基本とし「ワクチンを打ったからといって、100%防御できるものではない」と述べた。
さらに農水省は、ワクチン接種農場でも感染が確認されれば、「当該農場の全頭を殺処分する」(消費・安全局)と説明した。
ワクチンがないアフリカ豚コレラ(ASF)が国内に侵入する恐れも踏まえて、江藤農相は「極めて高い緊張感を持って今後もやっていただかなければならない」と強調した。
同省が豚コレラの呼称を「CSF」と変更した狙いを、江藤農相は「風評被害が怖いという現場の養豚業を営む方の気持ちに応える」と説明。家畜伝染病予防法上の名称変更も視野に検討しているとした。立憲民主党の亀井亜紀子氏への答弁。
亀井氏は、人が屋外のごみ箱に捨てた食べ残しから野生イノシシに感染したり、トラックなどを通じて感染が広がったりする可能性を指摘。海外の対策事例を挙げながら政府の方針をただした。
江藤農相は、ごみ対策では関係省庁に公園などの適切な管理を要請し、キャンプ場にも適切な残飯処理をするよう通知したことを説明。トラックなどの輸送面での対策は当事者の負担も考慮しながら検討するとした。
日本農業新聞
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